前回は、大学生の奨学制度の利用をお勧めする記事を書きました。
今回は大学院生の奨学制度に関する記事です。
大学院生は、はっきり言うと、奨学金を借りないと損です。
大学院生はぜひとも奨学制度を上手に利用しましょう。
どこから奨学金を借りるか
多くの場合、大学院生の奨学金は、大学生と同じく、日本学生支援機構から借ります。
大学生の奨学金については、前回の記事をご覧ください。
奨学金の額、利子
大学院の場合は、低所得者でなくても、優秀な学業成績でなくても、申請すればほとんどの場合第1種を借りられます。
種別 | 利子 | 月額 |
第1種 | なし | 50,000円
88,000円 |
第2種 | あり | 50,000円
80,000円 100,000円 130,000円 150,000円 |
私は、第1種を毎月88,000円の利用をお勧めしています。
研究を頑張れば返済免除にできる!
私が大学院生の奨学金利用をおススメする最大のポイントはここです。
大学院生の奨学制度では上位15%の「業績が優れた者」が全額返済免除、それに次ぐ上位15%の「業績が優れた者」が半額返済免除になります。
無利息の借金を合法的に踏み倒せる!
こんな素敵なことはありません(笑)
この枠は各大学に均等に振り分けられています。
ですので、正直レベルが低い大学ほど免除を勝ち取りやすいです。
返済免除を勝ち取る方法
学校で「業績が優れた者」というと、通知表の成績やテストの点数が良いことと思われる方もいるかもしれません。
しかし、大学院では違います。
大学院でも授業はあり、通知表のようなものもありますが、業績としてのウェートは高くはないと思います。
大学院の「業績」として考えられるものは、次のようなものがあります。
①英語の学術誌(査読付き)への掲載
②日本語の学術誌(査読付き)への掲載
③なにかの表彰(学会の優秀発表、研究上の表彰)
④国際学会での研究発表
⑤国内学会での研究発表
⑥授業の成績
理系だとおそらくこんな感じです。(文系のことは正直よく分かりません・・・。)
工学系の研究を職業にしている私の感覚として、このような順番ですが、採点の基準はおそらく大学院によって異なります。
ここは重要なことなので、次回詳しく述べたいと思います。
「本気で返済免除を勝ち取る!」ということであれば、そのためにどうしたら良いか、研究室の話しやすい先輩、ぶっちゃけた話ができる教員や研究室スタッフに聞いてみたらよいと思います。
返済免除を目指すことにはメリットしかない
月当たり88,000円の奨学金だと2年間総額で2,112,000円になります。
半額免除でも100万円以上得することができるので、返済免除は十分に目標にする価値があることだと思います。
例えば、数学が苦手な学生が難解な数学のテストで100点を取ることは厳しいです。努力の範疇を超えることもあります。
しかし、大学院で業績となる「論文を出す」というのは、やるかやらないのか、という世界なのです。
重要なのは論文の価値そのものよりも「論文を出す」ことなのです。
できないことではないです。
そして、修論以外の「論文を出す」ことは、大学院生にとってマストではないので、多くの学生は実行しません。
ですから、やれば勝てます。
そして返済免除を勝ち取るような業績を挙げることは、一生懸命した研究を形に残すこととイコールです。
大学院生のその後の人生においても有益な経験となると思います。
大学院生はバイトなんかしないで!
上記の通り、大学院生は月88,000円の奨学金を無利子で借りて、努力によっては踏み倒せます(笑)
大学院生は、バイトに時間を使うのはやめて、奨学金の返済免除を勝ち取りましょう。
その方が効率的です。
バイトより論文を書く方が時間単価が高くなると思います。
バイトで月88,000円稼ぐのなんて大変ですよね。
それにバイトしても、うっすらとした人生経験が得られるだけで、それほど有益とは言えないことが多いですよね(笑)
体験談
私は大学院時代に奨学金を月当たり88,000円借りていました。
私が大学院に通うころ、私の親は早期退職で収入がかなり減っていたので、大学院に通えたのは奨学制度のおかげです。
大学の頃と合わせて奨学金の総額は450万円くらいになりました。
大学院生の頃の私は、前年ながら意識が低く、奨学金の半額免除すらも勝ち取れませんでした。
奨学金の返済は、20代の頃の私にとって結構負担でしたが、繰り上げ返済もあり、30代前半に完済しました。
奨学金は私の人生にとって有益な投資だったと思っています。
大学院修了となるとある程度給料面も有利になるので、これから借りる人は、将来働く意思がある限り、それほど心配しなくて良いと思います。
おわりに
大学生の奨学金利用はずっとお勧めしていますが、大学院生の奨学金利用をもっともっとお勧めです。
利用して損する人はいませんが、得する人はたくさんいます。
これから大学院生になる人はぜひ参考にしてください。
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