本記事は、これから投資を始める人、まだ方針が固まっていない投資初心者にぜひ読んでもらいたい記事です。
積立投資をはじめるときにみんなが考えること「いつからはじめよう」
この記事はそんな疑問にこたえたいと思います。
結論だけ言うと「いまでしょ!」です。
明日でも、来年でも、株式相場が落ち着いているときでもありません。「いま」です。
投資は最適な方法を知るだけでなく、その方法を心から納得して取り組むことが必要です。では、なぜ「いま」からなのか、考えていきたいと思います。
積立投資はいつが「始めどき」?失敗したくない
積立投資の「始めどき」はいつなのでしょうか?
これから投資を始める人は考えることですよね。
だれでも損はしたくないものです。
「積立投資を始めたあとに、相場が暴落してしまったら・・・」
「もうすぐ相場が下落しそうな気がするから、株価が安くなってから投資を始めよう」
「安い時にできるだけたくさん買って、高い時にできるだけたくさん売りたい」
と考える方もいるのではないでしょうか。
いつから積立投資をはじめたらよいか、データをもとに考える
では積立投資のはじめどきを、シミュレーションから考察していきたいと思います。
シミュレーションの条件
積立投資で20年間、毎月1万円入金していったとします。
20年後にいくらになっているでしょうか。20年間は、つみたてNISAの期間でもありますし、長期積み立て投資の目安となる期間ですよね。
利息のない貯金だと240万円(12万円/年×20年)になります。
投資の条件は次のとおりとします。
投資先 | S&P 500 | 長期のデータがあるので米国株インデックスを使って分析します。 |
経費率 | 0.03% | 米国株ETF・VOO(最安の経費率)水準 |
配当 | 無視 | 本来はETFの投資だと分配金がありますが、少額なのでここでは無視します |
税金 | 無視 | 運用終了時に売却すると運用益に20%程度課税されますが、無視して比較することにします |
期間 | 1950~2000年の任意の日に投資をはじめ、20年間積立投資を続けたこととします |
シミュレーションの結果
20年後の運用結果の確率分布
下のグラフは横軸が運用成果、縦軸が確率密度です。
山が高くなっているところが、確率的に発生しやすい運用成果だということです。
山の最も高いところは運用成果415万円で、貯金相当の240万円の1.73倍になっています。
もう少し詳しく検討するために、累積頻度のグラフで見てみましょう。
下のグラフは横軸が運用成果、縦軸が累積頻度です。
縦軸50%のところが中央値で、およそ486万円ですね。
元金の240万円を下回る確率は0.3%です。
さあ、それでは始めるタイミングと運用結果にはどのような関係があるのでしょうか。
始めるタイミングと運用結果
この記事で重要な部分です。
下のグラフは横軸が積立投資を始めた日、縦軸が運用成果です。
結果的には、積立投資の成果が、1980年ごろ最も大きく1400万円、1954年ごろ最も小さく220万円(元本割れ)でした。
推移をみると開始日によって20年後の運用額にバラつき差が生じていますね。しかしこれは、開始20年後のその日の株式相場の影響を強く受けるためです。
積立投資をはじめてからぴったり20年後に売るわけではありませんから、ちょうど20年後に高値となるというよりはETFや投資信託を「割安で買い付ける」ことの方が積立時期においては重要ですよね。
これから積立投資を始める人にとって悩ましい問題は「現在は株高だからいまからはじめたら損じゃないか?」ということです。
始めるタイミングと平均買付単価
そしてここからが特に重要です。
下のグラフは横軸が積立投資を始めた日、縦軸が20年間の買付単価の平均値です。
縦軸は買付単価なので低い方が、安く買えるということで、投資家には望ましい結果です。
きれいな右肩上がりのグラフです。
つまり投資開始を後回しにすればするほど、買付単価は割高になってしまうのです。
「今の株式相場が高すぎる」とかは関係ないのです。
結論:長期積立投資を始めるタイミングはどうでもいい
このシミュレーションをもとに、長期の積立投資をはじめるタイミングはいつでもいいと、私は考えます。
さらに言えば、投資の開始を先延ばしればするほど買付単価が割高になってしまうので、積立投資のはじめどきは「いまでしょ!」と思います。(タイトル回収)
今回のシミュレーションで積立期間を20年間としたことは、つみたてNISAを意識しています。
つみたてNISA、iDeCoで株式投資を始めるみなさん!投資を始めるタイミングを図る必要はありません!思い立った時にはじめればよいのです!
本記事の私のメッセージがここです。多くの人に届くと嬉しいです。
始めるタイミングより気を付けること:損をしないためには、無理のない額で始めることが重要
長期積立投資を始める際に、タイミングよりずっと気を付けるべきことがあります。
それは、無理のない額で投資を始めることです。
上記の検討のとおり、投資を長年続ければそれなりの運用成果は得られます。
しかしシミュレーションは20年間同じ額を積み立てることが前提でした。現実的にはこれが意外と難しいと思います。
20年もあれば大きい買い物をするときもあるでしょうし、転職で収入が変わったり、家族の教育や医療などで大きな支出が続くこともあるかもしれません。
そんなことを考えすぎてもキリがありませんが、現在の経済状況で無理のない範囲で投資を始めるとよいと思います。
支出を過度に切り詰めて投資資金を捻出したり、ギリギリの貯金しかない中で投資を始めるのは、失敗しやすい環境だといえます。
おわりに
本記事では、積立投資の始めどきは「いま」だということを解説しました。
積立投資を始める方は、株式相場を見て悩む必要はありません。
投資先を決め、「投資を始めてみよう」と思い立ったその時から、無理のない額で、ぜひとも投資を始めてください。
本記事ではインデックス投資について述べましたが、次回の記事では私が勧めるレバレッジ積立投資でも同様のことがいえるのか解説していきたいと思います。
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