【大学生の奨学金】借りられる額、利率

私は、大学生はガンガン奨学金を借りた方が人生トータルでかなり得だと思っています。

今日は、大学生がどのくらいの奨学金をどの程度の利率で借りられるのか、整理していきたいと思います。

どこから借りるか

多くの人は日本学生支援機構

奨学金制度を利用する学生の多くは日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度を利用します。

日本学生支援機構は、独立行政法人、つまりは国の外郭団体です。

これから奨学金を利用している人は、下記の制度を利用できる珍しいケースでない限り、日本学生支援機構から借りればよいと思います。

私自身、日本学生支援機構から奨学金を借りましたが、なんら不満はありません。

この記事で「奨学金」とは、特にことわりがない限り日本学生支援機構から借りるものを言うこととします。

【参考】その他の奨学金制度

参考までに、奨学金制度は日本学生支援機構以外にも下記のようなものがあります。

借入先 対象 コメント
大学

医療・看護系の学生

スポーツの成績優秀者

医療や看護系の大学・専門学校では、卒業後に指定の病院に一定期間勤務する等の条件で返済免除される場合があります。

スポーツは特待生制度などいろいろあります。

民間団体 親が、病気、災害、交通事故などで亡くなった、後遺症があり働けない

具体的には「あしなが育英会」、「交通遺児育英会」があります。

無利子ですが、返還免除ではありません。

自治体 親が当該自治体の住民である学生

大学で地元を離れた学生が就職で地元に戻る場合、奨学金の返済を一部肩代わりしてくれるケースがあります。

この制度の利用のために就職先を変える必要はないと思いますが、仮に該当する可能性がある場合は、自治体に問い合わせるとよいと思います。

新聞社 新聞配達をする学生

いわゆる「新聞奨学生」です。

在学中に新聞配達をすることで、奨学金を得られ、賃金の一部が返済に回されます。

新聞販売店の近くに無料の部屋を用意してくれることもあるようです。

防衛省 卒業後に自衛隊に勤務する学生

対象となる学部等に制限があります。

在学期間毎月54,000円。

卒業後に一定期間自衛隊に勤務することで返済が免除になります。

繰り返しますが、これらの制度の利用のために就職先を変える必要はないと思います。

新聞奨学生もあまり割の良いものだとは思えません。

あくまで対象になる人が利用を検討すればよいだけです。

奨学金制度

日本学生支援機構の大学生向け奨学金は、次のように区分されます。

区分 返済 利子 対象*
給付型 返済免除 収入が低い家庭(住民税非課税世帯かそれに準じる世帯)
貸与型 第1種 返済する なし 収入がやや低い家庭(目安として4人家族の給与所得世帯で所得年747万円)
第2種 返済する あり 通常の収入の家庭

*学力の基準もありますが、「人並み程度」くらいです。詳しくは学校の先生や日本学生支援機構に問い合わせましょう。

多くの人はとりあえず貸与型の第1種に申し込んで、落ちたら第2種にする、という形になると思います。

借りられる額

日本学生支援機構の大学生向け奨学金で借りられる額は、条件によってさまざまです。

区分 自宅 自宅外
国公立 私立 国公立 私立
給付型 29,200円 38,300円 66,700円 75,800円
貸与型 第1種

20,000円

30,000円

45,000円

20,000円

30,000円

40,000円

54,000円

20,000円

30,000円

40,000円

51,000円

20,000円

30,000円

40,000円

50,000円

64,000円

第2種 20,000~120,000円の間で10,000円刻みで選択できます。

必要額を選べます。いずれにしても利子がかからないか超低率なので、私は最大限借りることをお勧めしています。

私立大の医系であれば、増額を受けられる場合があります。

利率

基本的な利率

給付型は返済免除、貸与型の第1種は無利子なので、利子が発生するのは貸与型第2種のみです。

利子は、利率固定方式と利率見直し方式から選択できます。

要は固定金利と変動金利です。

利率固定方式は、貸与終了した時点で利率が固定される代わり、利率が利率見直し方式よりやや高めです。

利率見直し方式は、利率が低い代わりに、返済中に金利が上昇するリスクを受け入れます。

私は、利率固定方式をお勧めしています。

利率固定方式で十分に金利が安いですし、変なリスクを背負う必要はないと思うからです。

具体的な金利は、日本学生支援機構のHP(見づらい・・)で公開されています。

最新の情報では、利率固定方式での利率は年0.07%です。

衝撃的な低利率です。普段から資産運用や金融に興味を持つ方ならこの衝撃を理解せてもらえると思います。

仮に1000万円を20年で返したとしても利子が10万円も発生しません。安すぎます。

正直、この金利だったら、特段奨学金が必要なくとも借りてよいと思います。奨学金は学生に与えられた特権ですね。

できれば保証人がいた方が良い、いなくても良い

いずれの奨学金を借りるときも、連帯保証人と保証人が必要です。

連帯保証人は、基本的には奨学生の親になってもらいます。

保証人は、奨学生と別生計でなければならず、奨学生の親戚の人などになってもらいます。

連帯保証人は多くの親御さんであればなってくれると思いますが、親戚付き合いがいまいちなどで保証人がネックになることがたまにあります

事情があって保証人を立てられない人には、「機関保障」という制度があります。

連帯保証人の機能を日本学生支援機構が担保するというものです。

万が一、奨学生や連帯保証人が奨学金の支払いが困難になってしまった際に、機関保障だと日本学生支援機構がかぶってくれるということです。

その代わり、機関保障だと毎月の奨学金受領額が2~4%くらいが保障額として差し引かれます。

返済する額は差し引かれる前の額に対してとなります。将来的に繰り上げ返済などしたら、差し引き分の額の一部は奨学生にキャッシュバックされることもあるとされていますが、この辺は正直よく分かりません。

この機関保障の保障額はちょっと痛いので、可能であれば保証人を立てましょう。

ただ、保証人を立てられなくても奨学金制度はかなり有用でお得な制度です。

3%の保証額差し引きを受けたとしても、返済のトータル年利は0.5%を大きく下回ります。

機関保障を利用するにしても、「借りられるだけ借りてよい」という私の意見に変わりはありません。

もちろん、機関保障を利用しても返済が滞ると催促されますし、信用情報に傷がつきクレジットカード作成できない、他の借金ができなくなるなどのデメリットがあります。

奨学金の利率は安い

なぜ奨学金の金利は安いといえるのか。

参考に、他の借金の利率と比較してみましょう。

利用してはならない借金 カードローン 年率15~18%
リボ払い 年率15~18%
マイカーローン 年率2~10%
利用してよい借金 住宅ローン 年率1%前後
奨学金 年率0.07%以下(2020.3現在)

利率はあくまで目安です。

私はしてもよい借金の利率は2%くらいだと思っています。

ちなみに株式投資の年平均リターンは+5%くらいです。

あまり大きな声では言えませんが、卒業後仕事に必要で車を買う学生も、資産運用でお金を増やしたい学生も奨学金を借りた方が良いことになります。

なんとなく、奨学金という借金に後ろめたさ、肩の荷が重そうなイメージを持つ方もいると思いますが、数字で考えるとむしろ借りた方が得です。

教育ローンはやめておいた方がいい

奨学金と似て非なるサービスとして教育ローンがあります。

これは普通の借金で、固定金利で年利2.5~5%くらい、変動金利で1.5~4%くらいです。

奨学金と比べて高すぎます。

長期間借り入れることを考えると、これは利用してはならない借金です

おわりに

借金だから、奨学金は利用しない方が良いと思っている人は多いのではないでしょうか。

しかし、よくよく考えてみると奨学金は利用する方が得なことが多いです。

これから大学生になる人が長い人生のマネープランを考えることは難しいのかもしれません。

しかし、自分の奨学金をどうするか、借り入れと返済をどうしていくのか、これから大学生として自分の人生を考えるきっかけにもなると思います。

これを読んで、ぜひ奨学制度の利用を検討してもらえたらと思います。

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